ノクイアケス

ノクイアケスとゆう世界を舞台にした空想小説。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

おしらせ。

諸事情により8月いっぱいおやすみです。 次回更新は9月1日の予定…。 私の拙い創作物を読んでくださってる方には感謝してやみません。今月何日休んでるのかしら…とか思いつつまた来月m(__)m 最近絵を描いてないから過去絵しかはれない…

呼び声

外から来た者から直接話を聞いた訳ではないようだったが、男は幾人かから聞いた話をまとめて話す。 街にやってきた一行は、商人でもなければ買い物が目的で街を訪れるつもりがあったわけでもないらしく、街道のそばに倒れていたとゆう子供を含む数人の獣人を…

騒ぎ

シャトが子供達と街へ戻る途中、東から街に向かって何かを抱えたような人間らしい姿がいくつか勢いよく走っている姿が目に入った。 「何だろうねぇ?」 「買い物にきた感じではないみたい…。何があるかわからないし、心配かけるといけないから早く戻りましょ…

困りもの

グドラマ達のいる陣の一角、シャト達が訪ねた時には無かった幕の中で一組の男女が唇を重ねていた。 ベッドの上、一糸纏わぬ姿の二人、唇を離すと女が愛おしそうに男の頬に手を当てるようにして指先で唇を拭う。 その手に手を重ねた男は淡い赤色に頬を染めた…

カティーナが一階に下りたときにはまだ食堂は混んでいて、シアンと二人、庭の日陰に座り、冷えた水が入ったカップを片手に街の賑わいに耳を傾けていた。 「市が立つ日なんだってさ。シャトに聞いたら覗いてきてもいいって」 「シャトさんはどちらへ?」 「オ…

市の朝

夜が明ける前から宿の一階は多くの人で賑わい、主人や女将をはじめそこで働いているもの達は休む間もなく動き続けている。 夜中に一度は目を覚ましたシャトだったが、そのままオーリスの隣で眠りつづけ、女将達が動き出すと間もなく目を覚ました。 庭の椅子…

眠る場所

結局代金のやりとりは客をあしらいなれている女将の勝ち…つまりはシアンが安く食事にありついた形になったのだが、女将はそれを何でもないことのように、余計な気遣いをさせない態度でさらっとやってのけた。 「あ、美味しい」 主人の料理はお世辞ではなく味…

食事

「あの…」 「動けるようになったみたいですね…安心しました」 カティーナの言葉を遮るつもりがあったのかはわからないが、シャトはそう言い、手を止める事なく食事を続けている。 「…ご迷惑をおかけしました」 「いえ…こちらこそ、ごめんなさい」 「…ローブ…

二人の夕食

夕食をとる客が疎らになった頃なって、厨房から一番近いテーブルを前にシャトは一人静かに座っていた。 開け放たれた厨房の扉の外では女将から貰ったのかオーリスが野菜や果物を食べながら、時々中を覗いては料理をする主人や何かに向かって愛嬌を振り撒くよ…

おしらせ。

親類宅に突然お泊りしています。 また明日m(__)m シャトの背中…

二人の背中

身体を駆け抜けた衝撃からほどなく、床から跳ね上がる水の飛沫に顔をあげたカティーナが見たのは柔らかな曲線を描く白い肌に痛々しく残る火傷の跡だった。 ついたての倒れた音からやや遅れて、冷たいシャワーを頭からかぶっていた相手が額や頬に髪が張り付い…

おしらせ。

お盆明けまでお休みします。 次回更新は17日の予定…。 暑い盛り、お身体にお気をつけてお過ごしください。 過去絵。

行き違い

三人が幕を張っていた場所からこの街までは結構の距離があるが、オーリスが空を駆ける速さを考えると、話した時間に幕を片付ける時間を足してもカティーナが眠ってからそんなに経っていないだろう。 すでに空は暗く、部屋の中もかなり絞られた明かりが薄く照…

宿

「大丈夫なの?」 辺りを探し回った後で野営地に戻ってシャトとカティーナを待っていたシアンは、戻ったシャトから事情を聞くと、手早く幕を片付けながらそう尋ねた。 「毒自体は抜けないものではありませんし、意識は戻りましたからそれほど心配は無いかと。た…

忌避

先程までカティーナやトクラとともに幕の中に居たはずのキーナを抱え、足早に戻ってきたシャトが見たのは靴も履かずに外に出て、ふらつくどころか肩から地面に崩れ落ちるように倒れたカティーナの姿だった。 「カティーナさん!」 腕の中からぱっとキーナが姿…

トクラ

「何の策もなく近付いてきた馬鹿だ。放っておけ」 「そんな言い方しないで。知らなかったんだから」 シャトがカティーナの質問に答える前に、傭兵団員らしき人物が吐き捨てるように言い、シャトははっきりと眉をしかめた。 視界がはっきりしてきたカティーナはど…

カティーナの悪夢

目覚めてすぐに波の音を聞いた。 自身から沸き上がる黒い魔力に体力とともに命が削られているのだろうが、背中の痛みが再び意識を失うことを許さない。 あれからどれだけ経ったのだろう。 砂浜に打ち捨てられたらしく、頬は砂に沈み、噛まされた金属と歯の間…

来訪者

シャトが言った通り、夜明け前から陣の周辺は魔獣達と団員が動いているらしくざわついている。 シャトは結局シアン達の居る幕には戻らず、オーリスのそばで夜を過ごした。 そして、まだ団員達すら起き出さないうちに静かに幕へと戻り、まるでずっとそこに居…

眼鏡

シアンが戻り、しばらく三人で話をしていたが、欠伸を噛み殺すシアンとカティーナが休む用意を始めた辺りで今度はシャトがお風呂へと向かって行った。 誰もいない風呂場の前にオーリスがやって来て、シャトが中へと入るとまるで見張りでもするかのように入り…

シャトと傭兵団

お風呂用の幕は大きく、脱衣所に当たる部分は一応仕切られているし、簀の子を敷いた洗い場と、防水布の湯舟もそれぞれ複数人で入ることを前提とした大きさがある。 お湯は焼いた石を入れて沸かすらしく、湯舟の端に石の入った籠があったが、カティーナと入れ…

お仕事

夕食が済むと『幕を一つ空けたから』とこぶりな幕の一つが示された。 「三人一緒で構わないわよね? 二段ベッドが二組あるわ。中にあるものは好きに使ってもらって構わないし、向こうの大きな幕の中、お湯張ってあるから好きに入って」 周りが動き出したと思っ…