ノクイアケス

ノクイアケスとゆう世界を舞台にした空想小説。

2021-01-01から1年間の記事一覧

おしらせ。(ですらない

書きたいんです。ですけれどね、なかなか気合い入らなくて…。誰か気合い入れて…。

ある魔術師の記憶 49

「…あの人は私が口にした全てを忘れているわけではありません。きっかけさえあれば徐々に繋がります。…完全に、とは、いかないようですし、新しい出来事ほど曖昧になりやすいようですけれど」 『水が飲みたい』とゆう魔術師の言葉をうけて部屋を出た細工師は、…

ある魔術師の記憶 48

魔術師の瞳は開かれたとはいっても虚ろで、どこに焦点があっているのかも分からない様子らしかった。 魔術師の上でたゆたうフィユリさんの横から顔を覗き込むように首を伸ばした細工師は『分かりますか?』と少しだけ声を張るようにしてゆっくりと尋ね、魔術…

おしらせ。

また気がついたらほぼ二ヶ月何も書いていない状態になってしまっています。少し落ち着いたらまた少しずつ進めるつもりです。本当に終わりが来ないまま先細ってしまうのはさけたいな、と書いたことがフラグになりそうで怖い今日この頃。体調にお気をつけてお…

ある魔術師の記憶 47

ここで暮らし始めてから今まで、必要最低限の外出しかしてこなかったし、街へ出たとしても通る道はいつも同じもの、こうして普段なら通らない道を歩き、曲がらない角を曲がる…なんてことをしてみると、行き止まりにぶつかったり、ぐるりと回って同じ場所に出…

ある魔術師の記憶 46

それからしばらく、屋外から聞こえて来る賑わいの中で三人とも口を開くこともなく、時々手にしたカップを静かに傾けていた。 骨張った長い指の先、落としきれない油の染みた平たい爪、職人としての年月が伺える細工師の手。 およそ魔術師とは思えない日に焼…

ある魔術師の記憶 45

「彼女に初めに気がついた人が一番近かった彼の家に運び込んだそうです…」 「…驚きました、突然のことでしたから…。私は、水の力はあまり使えません…。街の方、なら…私のところには来なかったでしょう…。ネイ…あの子の名です…ネイのご家族とは、話したことはあ…

ある魔術師の記憶 44

僕は目の前の出来事に置き去られるように、俯いたまましばらくじっとしていたレリオさんの視線が上がり、少女の背を見送っていた細工師と、お互い顔を見合わせる様にして意味ありげに、ため息混じりに微笑むのをただただ眺めていた。 少女が飛び出してからず…

ある魔術師の記憶 43

そんな少女の様子に、とゆう事なのか、レリオさんは困ったような顔だけれど安心した様子を見せ、小さなため息をついたあとで微笑みながら再び口を開いた。 「では、ここではずっと魔術を…?」 「はい、怒鳴られたり蹴飛ばされたり…そんなことばかりでしたけれど…

ある魔術師の記憶 42

自分でも何がきっかけで魔術師があのような行動に出たのかが解らないまま、事実を羅列するように言葉をつないでいたのだけれど、聞いている側はより解らないとゆう事なのか、地下にやって来てすぐに魔術師を包み込むように気配を広げ、揺らぐ球体のような状…

おしらせ。

新年の更新しないうちに1月が終わってしまうんじゃないか!? …と、そんな感情を抱いております今日この頃です。 皆様いかがお過ごしでしょうか。遅ればせながら新年のご挨拶を申し上げます。数日中に再開するつもりでおりますので、本年もまた長い目でお付…