それより少しだけ時を遡り… 洞窟からそれほど遠くない、草原と砂地の合間の村に続く道。 その道をゆく旅人らしい二人連れの片方が口を開く。 「あれか? 一番近い村ってゆうのは」 生地の丈夫なゆったりとしたズボンとごついブーツ、襟が肩口まで大きく開い…
「どうする?」 シーナは冷たい声で問いかける。 シャトの表情に怯えはない。 問いかけには答えず、シーナを真っ直ぐに見つめていた。 入り口から聞こえる羽音、岩壁から滲み出した雫の落ちる音、小さなはずの音がその空間にやけに響く。 張り詰めた、とゆう…
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